2010/03/14

就活のエージェント会社というものがあります。「新卒 人材紹介」で検索をしてみてください。沢山ヒットするはずです。有名どころだと、就活カレッジとか、就活2ndステージとかでしょうか。リクナビとかマイナビとかにも、普通の会社にまじって入ってます。これはどういうことをするところなのかというと、エージェント(代理人・仲介人)が就活相談に乗りながら、その学生にマッチした企業に引き合わせてくれて、選考に有利に進めるというものです。会社員向けに広告を出しているリクルートエージェントとかの新卒学生版というところです。

大概の場合、こういったエージェント会社は、「無料の就活相談」という広告を出しています。それ自体は悪いものでもなんでもありませんし、相談に乗ってくれるエージェントには、ちゃんとしたキャリアカウンセラー資格を持っている人も多いです。ただし、ここで理解しておかなければならないのは、このビジネスのビジネスモデルです。

以下のプレゼンテーションは、この「就活エージェント会社」のビジネスモデルです。



まず、学生を採用したい企業がエージェント会社に「学生を採用したいので、紹介してくれ」という旨を伝えます。エージェント会社はリクナビやマイナビに出した広告で学生を集め、就活相談に乗ります。その上で、人材を採用したい会社に対して学生を紹介します。つまり、引き合わせるわけです。会社と学生の間で選考が始まり、エージェントはその管理をします。学生を採用したい側の会社が納得し、学生に内定を出し、学生の側が内定を承諾すると、会社側から紹介利用として、エージェントにお金が支払われます。これが就活エージェントのビジネスモデルです。

学生には1円もお金は要りません。エージェントは、その学生ごとに個性を見極めながら、マッチすると思われる会社に学生を紹介できるので、選考も有利になるといわれています。これがこのビジネスモデルの優れたところです。

ただし、ビジネスモデルを考察するならば、その構造上、どうしてもある穴を見抜いておかねばなりません。

(ア)企業は、リクナビとかマイナビというメジャーな求人広告サイトで学生を応募するということも出来るのに、何故こういったエージェントを使用して学生を募集するか、ということを考えなければなりません。どうしてでしょうか。

リクナビ・マイナビといった求人広告サイトは、掲載の時点でお金がかかります。最近は、各就活サイトの方針変換により、掲載料は安価になってきているようですが、それでも高いです。しかも、広告ですから、打っただけでは効果があるかどうかというのは見えません。その一方、こうしたエージェントは、初期費用はかかりません。実際に学生と会って選考をし、学生が内定承諾した時点で始めて払うお金が発生するので、企業にとっては成果報酬でお金を払えるという有利さがあるのです。

それゆえ、こうしたエージェントを使う企業は、リクナビやマイナビなどの求人サイトを使っても人が応募者が集まらないくらい知名度が低い・小さい企業になる傾向があると考えます。特に小さい会社だと、採用人数も少ないことのほうが多いですから、1人採用するのに広告を打つのは非効率的です。それよりも、成果報酬型でピンポイントでエージェントを使ったほうが採用費が安く上がるというわけです。

ベンチャーでお金は持っていないけれども、将来有望なビジネスをしている会社がピンポイントで採用をしたいからこうしたエージェント会社を使っているということもあるでしょう。ただし、エージェントを使う会社には、ある傾向があるということは念頭に置いておく必要があると僕は思います。

入り口は「就活相談」ということであっても、エージェントとの会話は最終的には「どの会社に選考を斡旋してもらうか」という話になるのですから、どのような会社に斡旋されやすいかは、自覚しておく必要があるのです。

(イ)このビジネスモデルでは、学生が内定を承諾した時点で始めてエージェントにお金が入ります。このシステムを利用する学生側としては、ここには留意しておかなくてはならないポイントがあります。何でしょうか。

エージェントとしては、それまでどれだけ親身になって就活相談に乗ったり、いろいろな企業を学生に紹介して役に立ったとしても、その学生がどこか一社の内定を承諾しない限り、お金は手に入らないのです。とするならば、学生がある企業から内定を獲得したら、当然そこの内定を承諾するように薦めてきます。それでやっとお金が入るのですから。

学生としては、そこまで親身になって相談に乗ってくれたエージェントに対してよしみもあるでしょう。しかし、内定を承諾するというのは当然ながら容易く決めてはならないことです。「ここまで一緒にやってきたし、あの人は信頼しているから、その人が薦めるなら…」というのは、まことに結構。ただし、そのエージェントはあくまで「利害関係者」です。あなたがその会社に入ってくれないとお金が入らない。エージェントは、「一個人」としても薦めていますが、「ビジネス」としても薦めているのだということは、必ず覚えて置いてください。

以上、2点を「就活のエージェント会社」を使う際に絶対に頭に入れておくべき2つのポイントとして紹介してきました。大切なのは、ビジネスモデルを理解しておくことです。このビジネスモデルでは、学生には1円もお金がかかりません。お金がかからないということは、別の力がかかっているのだということをよく覚えて置いてください。
 
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