2008/11/12

今年のKゼミではウィルソン・ブライアン・キイの『メディア・セックス』を扱うことになっているので、ずいぶん前から楽しみにしている。この本で僕はセクスプロイテーション(Sexploitation = sex + exploitation;性的に食い物にすること、搾取)という言葉を知った。この本自体はサブリミナル効果を扱うもので、広告の中で用いられている性を暴露するスキャンダラスな本でもある。当然のように眉唾だとみなすむきもあるが、性が広告に用いられている、つまり性が経済ともう不可分に結びついてしまっているということを知るためにはいやだと言うほどに思い知らされる本だと言えよう。

さて、この本に関連して、ずっと紹介したかったYoutubeのビデオがあるので今回はそれについて。



「私の身体は私のものである。」

米国心理学協会は、少女の性の消費物化は、少女、および成人女性によくある心の病に関連がある、と報告した。
心の病とは以下のものを含む。摂食障害。自尊心の過度な欠如。憂鬱。

性の消費物化は以下のように定義される。個人の価値がもっぱら彼ないし彼女の性的な魅力・行動により評価され、他の人格の特性は評価の基準とならない状態。
および、個人が性的な対象物として目される状態。例えば、ある人が他の人の性的な快楽のための対象物とさせられること。

性を売るのは違法。
ただし性を広告に使うのは例外。

...そんな訳はない!

「世界は生きるには危険な場所だ。邪悪な心を持った人がいるからではない。邪悪に対して何もしない人たちで溢れているからである。」
アルバート・アインシュタイン

あなた自身を大切にしてください。
服従に対して抵抗してください。
「性的搾取」経済をボイコットしてください。

このビデオ自体もよく出来ている。そして主張をするためにはサブリミナルすら使う。

"Sexualization is defined as occuring when a person's value comes only from"というテロップがでる画面がある。この続きは別の画面で"his/her sexual appeal"と続くのだが、このテロップがあるバックに雑誌の文字"looks"があり、"comes only from looks"とも読める。

それに、そもそもこのビデオ自体にはこのビデオで批判しているような女性像ばかりが登場する。陰部がもう少しで見えそうなくらいのきわどい写真や、脚のアップ写真などなどである。つまりは否定的な文脈に合わせてこうした画像を映すことでネガティブなイメージを植えつける狙いなのだろう。主張するためには敵の武器すら使う。

そして動画の作り方がうまい。画面の切り替え方や音楽も「スタイリッシュ」だ。この「スタイリッシュ」さは、この動画の目的からすれば逆説的だが、資本主義にどっぷり染まった人間をも惹きつける。この動画をアップした人はカナダの人らしいが、おそらく英語圏で作られたこうしたカルチャー・ジャミングものには、敵の武器すらを使い、拒否反応がでないくらいにスタイリッシュな外見を装って批判をするという「したたかさ」があるのかもしれない。

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