2008/04/20

大阪府の橋本徹知事が市町村との意見交換会で涙を流して補助金削減案について協力を求めた。

橋本知事の涙に「知事いじめではない」と市町村が釈明。

http://japan.techinsight.jp/2008/04/aritsu200804180900.html

僕は某テレビ局のニュースでこの模様を見ていた。

橋本知事は今年度予算で1100億円という市町村にとっては厳しい補助金削減案を提案しており、それをもって大阪の財政再建を目指している。当然、各市町村長はこれに猛反発をしている。

橋本知事は「政治家」になってから髪も黒くして眼鏡も外した。童顔っぽくなった。各市町村長は絵に描いたような白髪交じりの「じいさん」共であって、じいさん共が言葉を尽くして橋本知事に反論する(つぶしに?)かかる様子は大の大人がよってたかって「弱いもの」をいじめている場面に見られて仕方のないものだった。

正直に言って、僕も「かわいそう」と思った。

何某局のニュースではこれを橋本知事vs市町村の対立関係と解説し、二項対立をマトリックスに整理して「全面戦争」と銘打っていた。

確かに双方の意見は食い違っているし、意見は激しく対立していることから、こう二項対立にして解説したいのはやまやまだ。しかし、それを戦争とまで言って強調しすぎるほどし、世論をあおる手法は過去の小泉政権でもおなじみのものではないか?

小泉改革以来ことさらにバレてしまっている「大衆」の「弱い」パターンは以下のものだ。

すなわち、一対多数。一人が「改革」(あるいは「改革のイメージ」)を孤軍奮闘で主張するのに対し、「頭の固い」多数がそれを邪魔するという構図。

小泉さんという人は本当に頭のいい人だと僕は思っていて、おそらくこの構図を自ら演出し、それのためにマスコミを巻き込んでいったのだろう。けれど閉口するのは、ブレイブ・ストーリーを聞くのが気持ちいいと感じてしまった大衆の耳に届けるため、その後マスコミは自ら「戦う一人の政治家」ストーリーを作るようになったということだ。

それが橋本知事の「知事vs頭の固い市町村長軍団」に演出されたニュースである。

案の定、橋本知事の支持率は上がった。

橋下知事アンケート 改革PTの支持率30代トップ

http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080419/lcl0804192005002-n1.htm

30代の支持率は82%という数字である。

「対立構造」、「改革」、「かわいそう」、「頭の固そうな「抵抗」勢力」が見事にツボにはまった結果だろう。

言うまでもないことだが、支持率とは殆どがイメージだ。

偉そうなことを言うつもりはない。僕自身もイメージで決める。

しかし、イメージが作られている場には注意を払っているつもりだ。だから、マスコミが作る二項対立のストーリーには注意をすべきだと思っている。

橋本知事は意見交換会で補助金削減案に対して反対を表明してくる各市町村長に対して何と言ったか?

「・・・・ぜひ、大阪を立て直したい、よろしくお願いします」

橋本知事は決して市町村長に対して「あなたたちは間違っている」と言って対立を表明したのではない。協力と理解を要請したのだ。「府」も「市町村」も「大阪」である。カテゴリ分けのトリックによって、二項対立になっているだけであって、少なくとも橋本知事の頭の中では(政治的駆け引きを際し引いて考えるならば)二項対立になっていないはずだ。それがいつの間にか「全面戦争」のストーリーに仕立て上げられている。

マスコミによってこのストーリーが仕立て上げられることは、結果的には支持率を上げるという意味では橋本知事にとってプラスに働くことだが、まさにそこが警戒するべきところである。

「府」と「市町村」を二つのものとして捉えるのか、あるいはカテゴリ分けされない「大阪」という一つのものとして捉えるのかは、論理によってどうとでもなる。

ここではマスコミによって対立関係のストーリーを作り出すために、故意に二つのものとされている。

僕は最低でも発言の上では「大阪」を二つに分かれたものとして捉えていないと言う点において、今回の意見交換会の橋本知事を支持する。

大阪、as oneというイメージでね。

次の投稿
Previous
This is the last post.

0 comment :

コメントを投稿

 
Toggle Footer